あまり例を見ないブログサイトの中編小説風大会記

七色の龍

 

 

 ベンチに仰向けになりふと思いました。

 

 

 「連続完走も4回で止まっちゃったなぁ・・・・・・」

 

 

 ・・・

 

 

 ・・

 

 

 ・

 

 

 6月12日 午前3時過ぎ 某チェーン店で今日初めて発した言葉。
 「すみません。牛丼大盛りに味噌汁下さい。」

 

 毎年そうですがウルトラマラソン当日の最初の補給は牛丼。これからの事を考えると入れておかなきゃ持たない。
 待つ間、ウエストポーチに入れる物を突っ込みました。入れた物は、

 

 小銭入れ
 リンゴ味パワーゼリー×1
 グレープ味パワーゼリー×1
 前日貰った関門時刻等が記載されたランナーズカード

 

 あとはアーリーエントリー特典で頂いたさるぼぼを取り付けて準備完了です。

 

 牛丼が出されたので時計とにらめっこしながらがっつきました。
 味噌汁が身に染みるぅ・・・朝の味噌汁は体が起きる♪

 

 

 「ごちそうさまでした♪」店を出てから指定駐車場へ。スムーズに駐車完了、バスに乗り込み揺られてビックアリーナへ到着。

 

 もう人で一杯!これから始まるのを改めて実感。前日でもそこまで気持ちが乗らなかったのが、ようやく盛り上がってくるものがありました。
 アリーナから出られてる皆さんは準備万端の様子、私も更衣室に行き着替える事にしました。
 広い更衣室、好きな所に陣取って着替えます。

 

 

 荷物を預けてしばらくのんびり、ステージで記念撮影している方、家族や応援者と談笑している方、皆それぞれの時間を過ごしています。

 

 

 

 少し遠方に目を向けると4時45分スタート第1グループ組がスタート地点にズラリッ!本当に始まるんだなぁ・・・。

 

 

 

 トイレもそこまでの混雑はなくスムーズ、周りもそんなに慌ただしくありません。流れる時間がゆったりに感じます。

 

 

 

 そうこうしている内に、

 

 

 「10・9・8・・・」とカウントダウンのアナウンスや皆の声と手拍子が会場に響き、

 

 

 大きな拍手で見送る中、

 

 

 ついに始まりました!

 

 

 4時45分 第5回 飛騨高山ウルトラマラソン 100km 第1グループスタートです。

 

 

 

 次に5時00分は100km 第2グループ、私はスタート地点から後方に位置を取りました。

 

 

 

 5時15分スタートの71km選手も続々とスタート地点移動待機場所に集まってます。

 

 

 

 スタート地点に体を持って行き後はもうスタートを待つだけ。

 

 待つ時間がやけに長く感じました。

 

 もうこの時点で私がこの先どうなるのかはおおよその予想はついていました。

 

 考え直すなら・・・・・・けど時間は待ってくれません。

 

 

 

 

 

 カウントダウン後、この時が来ました!

 

 

 

 

 

 5時00分 第5回 飛騨高山ウルトラマラソン 100km 第2グループスタートです。

 

 

 

 

 

 スタートも順調に流れ軽く流して走ります。

 

 こんな時間にも関わらず沿道にいる大勢の応援者に見送られて選手は幸せ者ですよね。

 

 

 

 スタートして1kmも過ぎた辺りでしょうか。

 

 一つ大きく深呼吸してからギアチェンジ!

 

 

 

 エイドでの補給時間を含めての5分30秒/km、55分00秒/10kmを目指します。

 

 私にすれば大博打、この先どうなろうが知ったこっちゃない!今回は行くと決めていたんです。

 

 

 

 道の狭い古い町並みに入り、抜けるまでは前のペースに合わせ、大声援に応えてました。

 

 古い町並みを抜けてちょっとした坂に差し掛かる所からまたペースを上げていきました。

 

 

 

 毎年そうですが高山の応援は心に響く。フルマラソンではなくウルトラマラソン独特のお祭り感覚と言うのもあるんでしょうか。

 

 それに飛騨の方は世話好きが多い、だから応援する声もきちんと心の奥底に響くのかな、なんて勝手に思ったりしてます。

 

 皆手を振ったり、ハイタッチで応えたり、「ありがとう」と言葉を交わし走っていきます。

 

 

 

 いつも応援幕を掲げている寺の住職さんに頭を下げ、すでに日の出となり広い田園を眺めながら走ります。ここの朝の眺めは良いですよ。なんだろ・・・いやぁ、走ってるなぁって感じで、上手く形容しがたいです。

 

 時刻にして5時30分を経過した辺りです。陽の光を浴びながら美女峠を目指します。

 

 

 美女峠に入る前の第2エイド 塩屋公民館(10.5km地点)、ここで水分補給「ごちそうさまでした♪」、そして美女峠に入りました。

 

 美女峠に入ってもそのままのペースを維持する様に努めました。登りもフラットも同一ペースで駆けていきます。まだまだ序盤、こんな所で止まってられない。登りはつま先着地の走法に切り替えてます。

 

 

 あっと言う間に美女峠終了!汗の出方が物凄い!

 

 脇腹に痛みが走ります。「腹筋使ってるのかな?」あれこれ考えましたがお構いなしに第3エイド 美女高原があるので、自重で降りていきます。

 

 

 

 そして第3エイド 美女高原(16.7km地点)到着!水分補給にチョコやリンゴジュース・トマトジュース頂きました。
 スッキリ飲みやすいですよ「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 補給も終わり走り出します。

 

 そう、ここで食わなきゃこの先持たぬ!第4エイド 道の駅ひだ朝日村を目指して駆け下りていきました。

 

 地元の温かい応援をここでも受けながら走る事数km、第4エイド 道の駅ひだ朝日村(21.8km地点)到着です。

 

 

 

 「ここで食っとけー」

 

 まず水で喉を潤した後、おにぎりを5個はいったかな、よもぎうどんを頬張ります。物足らなくておかわり、いやぁ和食って良いよな^^♪
 そしてまたおにぎりに手を付け補給完了「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 時間は待ってくれません。すぐさま走り出します。

 

 この時点で履き慣らしたと思っていたインソールと左足裏の干渉で、人差し指と中指の付け根が着地する度に鈍痛が走ります。ここから左脚を置きに行く感じ、右足を前に振る様な脚の運びに変えました。

 

 次に目指すは第6エイド カクレハキャンプ場です。

 

 

 

 ここからもペースは維持したいのですが何かおかしい・・・後ろに流れる風景が遅く感じます。

 

 第5エイド 上青屋公民館(25.2km地点)で水を貰い一口含み塩を一舐め「ごちそうさまでした♪」

 

 

 カクレハキャンプ場へ向かいますが汗の出方が物凄い!放っておくと目に染みるので、汗を手で拭いながら走りました。

 

 右手に流れる川を見ながら「あぁ、靴脱いで入りたいなぁ・・・」と思いながら進んでいくと、直線コースの彼方に見えたのが第6エイド カクレハキャンプ場(29.5km地点)です。

 

 

 

 水にスポーツドリンクを飲み、今年も飲みました火畑そば!エイドスタッフの方にも「そば飲んでって」って言われちゃったな(笑)ひょっとしてこのブログ見てるのかな?

 

 四杯はいったか^^そばを飲みながら先を見るとエイドを出発したランナーが駄吉林道峠を登っています。「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 その光景は七色にうろこが輝いた龍が昇っている様、色とりどりのウェアが上に消えていくのを見てそう感じました。

 

 私も続いて走り出し、坂を染める龍のうろこの一部に、ここからが私の本当の飛騨高山ウルトラマラソンの始まりです。

 

 

 

 

 下を向いて駆け上がります。

 

 汗は流れ落ち何度も汗を拭います。

 

 途中つま先走法に、けど左膝がおかしい・・・時々痛みが走りました。

 

 左膝が痛む度に、「登ってしまえば下るだけ、今頑張らないと!」そう自分を言い聞かしうつむきながら手を振り汗を拭い登りましたが・・・

 

 急にピタッ!と脚の運びが止まりました。

 

 今大会の目標、エイドを含めての5分30秒/km、55分00秒/10kmを目指して走るのはスタートしてから駄吉林道峠途中で終わる事となったのです。

 

 

 

 

 「あっけねぇなぁ・・・もう終わったか・・・」

 

 

 

 

 終わりました。ひとまず歩いて気持ちを切り替えます。

 

 あと残り約70km、左の足裏は人差し指・中指の付け根の鈍痛に加えて、小指の外側が着地の度に痛みます。
 左膝は相変わらずランダムに痛みが走ります。

 

 とりあえずは一歩でも前に、そう思い歩いて走ってを繰り返しながら第7エイド 駄吉林道峠(33.0km地点)到着。水と塩を一舐め「ごちそうさまでした♪」

 

 

 気持ちを奮い立たせては見たものの脚が付いてきません。

 

 フラットや下りは走りましたが、登りは歩きが入ります。

 

 「今回はいつもの大会とは違う・・・」初めから無茶したからなのか、暑さのせいなのか何も考える余裕がありません。

 

 

 ふと右側を見ると開けた場所が!

 

 駄吉林道峠まもなく終了、ですが何回も走ったコースなのにあとどれくらい走ればこの峠が終わるのか解らない位意識が遠のいていました。

 

 

 

 登り切って少し下れば・・・第8エイド 飛騨高山スキー場(39.2km地点)です。

 

 

 

 まずは補給、意識は薄らいでも食い気だけは削がれていません。

 

 おにぎりに味噌汁、とにかく食べました。

 

 食べないとこの先薄らいだ意識すら寸断されそうな気がして・・・最後に水を飲み、この先脚に違和感があるランナーなら地獄となる下りに備えます。

 

 私は今大会地獄を見る事になりそうです。「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 エイド出発後少し登るのですがきつい!

 

 登ってからの下り、左足裏に、両脚に、両膝に、そして体全体に衝撃が!

 

 更に左足裏と両膝には着地の都度痛みが!!

 

 

 

 「駄目かもしれん!」そう思いますが止まれません。踏ん張れないので惰性で降りてます。

 

 

 

 しばらくすると不思議なもので痛みは伴いますが痛みが少し和らぎ、痛いなら痛いなりの走りに。

 

 スピードものって、ほぼ本来の走りになりつつ・・・考えが甘かったです。

 

 下り切って平坦なコースに入ると今まで以上に痛みが走ります。

 

 走るのがこんなに苦しいのはいつ以来だろう・・・「このままじゃあ・・・」ふと頭に最後の選択肢がよぎります。

 

 

 

 第10エイド 岩滝公民館(49.5km地点)到着・・・もう脚が言う事聞いてくれません・・・とにかく痛い。

 

 インソール外して走りたい。

 

 水とスポーツドリンク貰って補給です「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 丹生川支所を目指します。が、登りは歩きが無いと進めない。

 

 もう歩くのも辛い!!

 

 

 「景色はいいんだけどなぁ・・・」

 

 

 登り途中毎年私設エイドされてる場所を見ると・・・あった!スイカ頂きました。すごく美味しい「ごちそうさまでした♪」

 

 

 この先から下りに入ります。下りやフラットなコースは走る、頭じゃなく体が無意識に反応しているみたい。

 

 下ってトンネルに入りしばらくすれば丹生川支所までの一本道。痛みが和らいで・・・いやもう鈍痛とかの痛みに対して麻痺してきたんでしょう。

 

 腕振り意識して脚を運ばせると、応援する方が段々と・・・前に進む度に物凄い応援になって来て背中押してくれる。

 

 ここまで来てよかった、と思いました。

 

 

 

 第12エイド 丹生川支所(57.2km地点)到着!

 

 

 

 焼きそば、おにぎり、団子、トマトシャーベット、オレンジ、水と目に止まった物は口に運んでます。団子美味かった〜^^

 

 今回おかわりする事は無かったですが、これだけ疲れてても食べる事で踏ん張れてる気がします。

 

 今までもそうですがエイドスタッフの方が優しいんです。

 

 おかわりしても「どんどん食べてってー」とその言葉にどれだけでもお腹に入りそうになります。

 

 今回も食べました「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 もうしばらくここに居たかったのですが脚が冷えて走り出すのが苦痛になるのが怖かったので、歩き出します。

 

 

 歩きながら「あとフル1回分かぁ・・・遠いなぁ・・・」脚は最悪、気持ちも折れかけ、座り込みたいのですがそれをここですると本当に終わりになりそうで。

 

 

 

 アナウンスで私の名前を呼ばれました。

 

 「そうだった・・・」私は振り向いて両手を振り「行ってきまーす!」と声を張り上げました。

 

 座ってる応援の方と二言ばかり言葉を交わし、丹生川支所を出たと同時に走り出します。

 

 

 

 もう脚が痛過ぎて・・・坂道がこんなに辛いとは・・・。

 

 それでも下りや平坦な所は走って前に進みます。進まなきゃ終わらない!

 

 

 

 しばらくすると右折の案内、千光寺への激坂です。

 

 凄い傾斜!前に進んでる感じがしない!脚の痛さをこらえて歩いていると後ろから走って来る方も。

 

 私は歩きながら進みます。今回は遠かった!下ばっかり見てました。周りの景色なんて見る余裕がありません。

 

 

 

 何分経ったのか・・・千光寺の門をくぐり108段ある階段へ。何故か小走りしました。

 

 

 

 登り切るとそこは千光寺。第14エイド 千光寺(61.9km地点)到着です。

 

 

 

 水と梅干しを頂きました「ごちそうさまでした♪」

 

 脚の限界はとっくに超えてます。それが解ってるだけにこの先のアップダウンが怖い。

 

 走り出しました。歩きは入りますが以外にも走れます「このまま行ける所まで・・・」

 

 

 

 第15エイド 下柏林道終点(65.8km地点)到着!

 

 

 

 このエイド、水に氷入ってます。今大会初めて気付きました。今までの大会スルーして走ってたので。

 

 

 「あれっ!氷が入ってるっ!」

 

 「うん、そうやよ」

 

 「すんごい冷たくてビックリしたよ(笑)」

 

 

 こんな会話、実はエイドであれ応援してくれる地元の方であれ、走ってるランナーでさえ、今までに沢山してきました。丹生川支所で座って応援してくれてた方と交わした言葉はこんな感じ。

 

 

 「5回出場おめでとう」

 

 「ありがとうございます。けど今年は暑くてたまらん」

 

 「暑いけど頑張りぃよ」

 

 「行ってきます」

 

 

 フルマラソンとウルトラマラソンの違い、距離もそうなんですが応援に対してしっかりと会話で応えられる。

 

 走ってる同士でも、 

 

 

 「ここまで来ましたね」

 

 「もう結構きついです。足がパンパン!」

 

 「あははっ、私もですよ。行きましょう」 

 

 

 会話する事で気持ちが楽に、前に進められる。ランナー同士もゴールに向かって支え合ってると思うんです。

 

 こういう所もウルトラマラソンの魅力の一つです。

 

 一人じゃ無理でも皆が支えてくれるから。

 

 

 次に目指すは第17エイド 国府B&G海洋センターです。

 

 ここは坂を越えればほぼフラットな所、走れるだけ走ります。

 

 

 

 

 

 しかしこういうのは急に来るもので・・・ついに・・・限界が来ました・・・もう走れません。歩くのも苦痛・・・。

 

 

 

 

 

 今までも足裏の鈍痛等があっても何とか前に進んでましたが、進めません。

 

 どこか横になれる場所を・・・歩いて進んでいると、寺の軒下らしき所で横になれそうだったので、靴を脱いで横になりました。

 

 まめがつぶれたんでしょう、左足の靴下が染まっています。

 

 

 

 ・・・・・・何分経ったんでしょうか。

 

 解りませんが体は重いまま、前に進む事にしてそこから歩き始めます。

 

 歩き始めたはいいものの横になって体が冷えたんでしょう、膝や股関節の動きがぎこちない。

 

 もう走ってるよりも歩いてる方が多い・・・先が見えない・・・・・・

 

 

 

 「あとゴールまでどれくらいなんだろう・・・」

 

 

 

 けど私の中では踏ん切りが付きました。

 

 

 

 皆の応援の声がする中、第17エイド 国府B&G海洋センター(74.1km地点)到着!

 

 

 私は海洋センターに入ると、給水所には行かずエイド本部の方へ。本部の人と確認した後に私は、

 

 

 

 

 「すみません・・・ここで止めます」

 

 

 

 

 何とかここまで来ましたが、私の第5回ウルトラマラソンは74.1kmで終わる事になったのです。

 

 

 

 

 前に付いているゼッケンを外し本部の方に提出、これでリタイア選手となりました。

 

 バスが来るまで時間があるので、中のベンチで横になってて下さいとの事。

 

 言われるように中に入り、ベンチがあったので横になりました。

 

 

 

 

 

 ベンチに仰向けになりふと思いました。

 

 

 「連続完走も4回で止まっちゃったなぁ・・・・・・」

 

 

 ・・・

 

 

 ・・

 

 

 ・

 

 

 外から第17エイドに到着した選手のアナウンスで目が覚めました。

 

 時刻は14時頃(この辺の記憶曖昧です)

 

 残り距離25.9km・・・

 

 「・・・まだ間に合うかな・・・」

 

 

 

 

 起き上がった私はそのままエイド本部へ行きました。駄目元で、

 

 「すみません。少し寝て回復したので、もう一度走らせてもらっていいですか?」

 

 駄目と言われるのは解っています。

 

 止めるのは本人の意思ですが、再びコースに戻れるとは思ってません。

 

 

 思ってないんだけど・・・・・・走りたい!いや、歩いてでもゴールに向かいたい!

 

 

 するとエイド本部の方がゼッケンを渡してくれて、

 

 

 「まだバスも来ていないし、もう一度ゼッケン付けて走るのは大丈夫ですよ」

 

 

 との事。

 

 

 私は本部の方にゼッケンを付けてもらい、リタイア選手から本選手に復活する事が出来たのです。

 

 

 

 もし駄目でリタイヤ宣告して、また走りたい気持ちが沸き上がってきたら、駄目元で尋ねてみて下さい。

 

 バスに乗り込む前ならまだ間に合います。

 

 前に進むと決まれば腹ごしらえ!ご飯や味噌汁を食べ、残り25.9kmのエネルギーをエイド毎に吸収する事になりました「ごちそうさまでした♪」

 

 

 

 

 エイド出発!

 

 睡眠効果なのか順調に・・・・・・すぐにメッキが剥がれました。

 

 やっぱり走れない・・・。歩く走るの繰り返し。

 

 

 

 「走る判断は失敗だったか・・・」

 

 

 

 そこまで走っていないのに眠気が襲います。

 

 お寺の能堂みたいな所に大会スタッフが立っています。

 

 

 私は、

 

 

 「この中で少し眠らせてもらっていいですか?」

 

 「いいですよ」

 

 

 との事。

 

 

 中に上がっていくと選手が一人横になってました。

 

 

 「3時になったら起きて行きます」

 

 

 と言い残し浅い眠りに入りました。

 

 

 3時までの間、大会スタッフの方は頭に引くタオルや下に引くビニールシートを持ってきてくれたり親切にしてもらいました。

 

 

 

 ・・・・・・3時前、目が覚めました。横を見ると先に横になってた方も起きています。

 

 

 「大丈夫ですか?」

 

 「ええ」

 

 「それじゃ行きますか!」

 

 

 私は起き上がり外に。

 

 大会スタッフの方に、

 

 

 「ありがとうございました。ここからゴールまでは何km位ですか?」

 

 「うーん、どうだろ。これから行くの?」

 

 「はい!歩いてでも行きます」

 

 「頑張ってね」

 

 

 こんなやりとりをし、コースへ。

 

 もう時間的にこの様な休憩をしている時間は感覚的に無さそう、ついに前に進むのみとなりました。

 

 

 

 歩いて走っての繰り返し、先は長い・・・。前の選手を見ると71kmコースの選手が。

 

 時間的にここで走られてる選手がギリギリ完走出来るかどうかの所。

 

 「制限時間何時だった?」「あと何kmくらいある?」と時間と距離を気にして走られています。

 

 

 

 それを聞いてから私は71kmコースの選手が走られていると、左折して100kmコースと別れる横断歩道の所までは抜けませんでした。

 

 抜いてはいけなかった。

 

 邪魔になってるかもしれないので極力邪魔にならない様に、少しでも広い場所に出たらわざと端に寄って後ろから追い上げる71km選手が走れる状況を作れる様に心掛けました。

 

 

 

 私が71kmコースと別れる横断歩道の場所に来たのが4時頃、その後71km選手がどうだったかは解りません。

 

 ここまで来たら時間内の完走だけはしてほしい、そう思いながらあの場所で71km選手と別れました。

 

 

 

 ここからはまた100kmコースのみです。皆走っています。
 私も走りました。確実にゴールに近くなってるのが解ります。

 

 

 第21エイド 八日町新鮮野菜販売所(87.4km地点)に。プチトマトを貰い、去年のお礼をして走り始めました「ごちそうさまでした♪」

 

 すぐに来る急な登り、歩いて走ってを繰り返し前に進みます。気のせいか痛みに対して完全に麻痺したみたいです。

 

 もう次の楽しみに備えるだけ、目指すは第23エイド 公文書館の飛騨牛です。

 

 

 

 アップダウンを越えると・・・第23エイド 公文書館(93.3km)到着!

 

 

 

 サイダーを飲み、飛騨牛へ♪今回はボリュームがあっていいんじゃないですか^^

 

 しかも・・・おかわりしてもいいんですかって事で二回目、ここに来ての飛騨牛は・・・いい。

 

 次に猪汁を頂きます。味噌がここにきて美味い!

 

 そして冷やしぜんざい、白玉が美味い!「ごちそうさまでした♪」

 

 

 水を飲み残り距離6.7km、少し元気になって来ました。テンションも上がります。

 

 

 

 

 「あっ、5回出場おめでとう」

 

 「えっ、なんで・・・あっTシャツだ。ありがとうございます。けどスタッフTシャツの方がいいんだなぁ」

 

 「どうして?記念Tシャツいいじゃないの」

 

 「だって記念Tシャツは黄色でしょう。スタッフTシャツの赤いいなぁ、アカレンジャーになりたいなぁ。走ってる選手はキレンジャーにアオレンジャーやミドレンジャーはいるけど」

 

 「赤は沢山いるけど、黄色は特別なTシャツなんだから」

 

 「・・・だって赤リーダーだもん」

 

 こんな会話が出来るのもウルトラマラソンならではです。

 

 

 

 

 そんなやり取りをしてから挨拶して向かうはビックアリーナ!

 

 しかしここからの1km毎のカウントダウンが長かった!!

 

 「だれか残りkm表示の看板ちょっとずつ蹴ってずらしてねぇかっ・・・」

 

 って疑いたくなるくらいに1kmが長い長い。

 

 

 

 

 

 けどいつかは・・・そう、前に進めばいつかは終わる。

 

 

 

 そう、その終わりが見えました。

 

 

 

 飛騨高山ビックアリーナ!

 

 

 

 もうじき終わる、ここに来ると誰も歩いたりはしません。

 

 

 

 最後は皆走って締め括る。

 

 

 

 最後は皆の応援が走らせてくれる。

 

 

 

 

 

 皆の応援が聞こえる中・・・・・・私の 第5回 飛騨高山ウルトラマラソンは終わりました。

 

 

 

 

 

 國島市長に敬礼し「帰って来ましたー」のあとガッチリ握手!

 

 

 掛けてもらった完走メダルが重い。

 

 

 その後も続々と帰って来る選手、延々と続く声援。

 

 

 

 

 

 皆の応援を、

 

 この光景を胸にしまい、

 

 また七色に染まった坂を見る日まで。

 

 

 

 

 

 あとがき

 

 

 ここまで読まれた方、長かったでしょう。9000文字だそうです。短編にはならなかった・・・。
 大会が終わって火曜日から少しずつ文字を並べていきました。
 本当は写真とかあった方がいいんでしょうけど、撮る物がありませんでした。

 

 第5回 飛騨高山ウルトラマラソンを走り終えて、未だ左膝に慢性疲労の様な痛みが残ってます。
 今年は初めから攻めの走りをしてみようと練習では50km走を多く入れました。結果は練習後半にもう3回はロング走を入れるか、練習間隔を空けずに走れば良かったのかなと思っています。
 走行中の10km毎のタイム表が出ましたら、追記で貼り付けます。完走時間は13時間8分でした。

 

 ウルトラマラソンって難しいです。
 だけど面白い。

 

 「走り終わった後に足引きずって、何が面白いの?」

 

 何が面白いのかはやってみなければ解らない。
 言葉では伝え切れない物が、その時その時カメラの様に目に写り、心に残ります。

 

 それは風化してもふと思い出せる。
 あの飛騨高山コースを走ったからこそ心に残る物。

 

 実際、上記懐古録には記載されていない出来事が沢山あるんです。
 一つ一つが今は凄く良い思い出^^

 

 人それぞれですが、きつい事だけでは決して無かったはずです。

 

 もしこれを読んで飛騨高山ウルトラマラソンに出てみたい、と思われた方がいましたら来年私が言いたかった「きつい事だけでは決してなかったはず」はこういう事だったのかな、と感じ取ってくれるはず。

 

 もう大会中の色々な出来事がちょっとずつ風化してきました。
 ここで懐古録は終わりに致します。

 

 

 あっ、忘れてました。

 

 大会関係者の皆さん
 地元の応援してくれた皆さん
 一緒にあのコースを走った選手の皆さん

 

 本当に楽しかったです♪
 ありがとうございました^^  

 

 


 
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